Q15 数的推理(確率2)
 図Tのように、ある飲食店のカウンターに1列に並んだ7つの席がある。客は以下のア、イ、ウの条件に従ってこれらの席に座る。

 図1
   

ア:可能ならば両隣の人と1つ以上席を空けて座る。
イ:両隣の人と1つ以上席を空けて座れない場合、どちらか一方の側は空けて座る。
ウ:ア、イで述べた席がない場合、空いている席に座る。

※以上の場合について、どの席に座る確率も等しく、両端の席の外側は席が空いているものとみなす。

 今、1人の客が1番左の席に座っている(図2)。この状態から、さらに、3人の客が別々に来て席に座るとき、最後の客がAの席に座る確率はいくらか。

 図2
   

 1.1/2
 2.1/6
 3.1/24
 4.1/40
 5.1/60



  考え方

 この問題は、国税専門官採用試験で出題された問題です。このパターンの問題は、大学入試でも出題されています。
 この問題を掲載する趣旨は、以前に、Q5(場合の数1)で述べた、
『繰り返し何かを行って、「最後の回にある事象となる」という問題でポイントとなることは、「最後の回にある事象となる」とはどういうことかを考えることです。そして、「最後の回の直前にどういう状況になっているか」に着目できるかが決定的に重要です。』を振り返っていただくのに良いと思うからです。本問のレベルならば樹形図を書いたりして、1人目から順に解いてもできてしまいますが、場合分けがさらに複雑になってくると上記のことが特に重要になります。


 まず条件を満たす場合はどういう場合かを、この考え方に従って整理しましょう。

 説明のために図に番号を振ってみます。
  

 
3人目がDに座るには、直前の2回目終了時にどうなっている必要があるのかを考えます。
 少し調べてみると、2人目まででは、両隣を空けずに座れなくなることはありえないと分かると思います。
よって、条件アより、それぞれの両隣があくように2人が座る座り方を調べると・・(A・C)、(A・D)、(A・E)、(B・D)、(B・E)、(C・E)の6組しかでてきません。
 
 このなかでDがすでに埋まっているものは、当然、3人目がDに座れないので除外です。(A・C)、(A・E)、(B・E)、(C・E)に絞られます。

 ここでやっと3人目がどう座るかを考えるのです。
 (A・C)→E(両端が空いているので:条件ア)
 (A・E)→C(両端が空いているので:条件ア)
 (B・E)→@・A・C・D(両端が空いている席がないので、条件イだが、@・A・C・Dはいずれも片側が埋まっているので、3人目は@・A・C・Dに等確率で座る。)
 (C・E)→A(両端が空いているので:条件ア)

 
以上より、3人目がDに座るためには、2人目までが(B・E)に座る場合しかないことが分かりました。では、確率を計算します。
 
 2人目までが(B・E)に座る確率は、
(B→E)または(E→B)なので、

   となります。
 
 そしてさらに、3人目がDに座る確率は
、1/4 ですから、求める確率は、
 
 となり、答えは3です。


 確率の問題であっても、場合の数がきちんと求められるかが作業のほとんどです。
 確率の処理で、(1)事象AとBが同時に起こることがない・ダブっていない(
AまたはB)ときに、それぞれの確率を足し算で処理するのに対し、(2)事象Aが起きて、さらに事象Bが起こる場合に掛け算で処理するなど、基本的なことがもし分かっていない場合は、必ず復習をしておいた方が良いと思います。ではまた。

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