Q5 数的推理(場合の数1)
 1段を「振り出し」とし、10段に進むと上がりとなる図のような「すごろく盤」がある。最初にコマを「振り出し」に置き、毎回1〜6の目を持つ1個のサイコロを振って、出た目が偶数の時は、その目の数だけコマを一段ずつ進め、出た目が奇数の時は、その目の数だけコマを一段ずつ戻す。
 ただし、第1回目に奇数の目が出たり、第2回目以降で0に戻ったときは、「振り出し」にとどまり、コマが10段に進んだときは、その時点で「上がり」となって終了する。
 なお、「目の出方」を数えるときには順序を考えに入れる。たとえば、目が2、3、1の順に出た場合と2、1、3の順に出た場合とでは、異なる「目の出方」とする。
      

 問1 第3回目に「上がり」になるような目の出方は何通りあるか。

 問2 第4回目に「上がり」になるような目の出方のうち、第1、2回目とも奇数が出る
    のは何通りあるか。




  考え方

 この問題は、大学入試センターが作成した平成20年度法科大学院適性試験第5問です。
 ロースクールの入試問題なので、問題文が長めでくどい表現になっていますが、単なる場合の数の問題です。問題文は理解できたでしょうか。
 
 さて、
このような繰り返し何かを行って、「最後の回にある事象となる」という問題でポイントとなることは、『第3回目(最後の回)に「上がる」』とはどういうことかを考えることです。そして、直前の「第2回目終了時にどういう状況になっているか」に着目できるかが決定的に重要です。
 3回目に上がるためには、2回目までに上がってはいけませんし、次に絶対に上がれないところにコマがあってもだめなのです。2回目の状況が決まれば、おのずと3回目にどうすれば上がれるかは導けます。だから、この2回目終了時が勝負。そしてここを「モレなくダブりなく」場合分けするのです。

  では具体的にみていきましょう。
    
 問1 
 3回目で上がるためには、一回では2か4か6段しか進めないのですから、2回目終了時に、4〜9段にいなければなりません。3段以下だと6が出てもゴールできませんので。
 そして4〜9段の中でも、@4・5段、A6・7段、B8・9段で場合分けが必要です。ここが「モレダブり」に分けるポイントです。@4・5段だと3回目は6でしか上がれません。同様に、A6・7段からは4か6で、B8・9段からは2か4か6で上がりになります。
 
では、2回目終了時にコマがどこにあるかをまとめましょう。
サイコロを2回振るときはこの表ですね。



 この表は、1回目のサイコロの目を左に、2回目を上にとったときに、2回目終了時に何段目にいるのかを示した表です。@4・5段には5通り、A6・7段には5通り、B8・9段には3通りになることがこの表から分かります。なお、2回目終了時で10段以上は題意より「上がり」となり3回目はありません。

 では、それぞれに3回目で10以上となる場合の数を掛けていきます。
    @4・5段:5×1(3回目は6のみ)=5
    A6・7段:5×2(3回目は4か6)=10
    B8・9段:3×3(3回目は2か4か6)=9
      
 そして、@、A、Bにダブりはありませんから、5+10+9=24(通り)となります。


 問2

 問題文で「第4回目」と見た瞬間はめんどくさいと思いませんでしたか?だって、3回目まで考えると6×6×6=216(通り)もあるのですから。しかし、そこはうまくできていて「第1、2回目とも奇数」と限定をつけてくれています。
 つまり、2回目までは、3(1か3か5)×3(1か3か5)=9(通り)のみであり、2回目終了時には、コマは「振り出し0段」にあることになります。
 ここから、第3、4回と「あと2回」サイコロを振るのですから、上の表がこのまま利用できますよね。この表から第3、4回の2回で10段以上進むのは3通りと分かります。

   
よって、求める場合の数は、9(1・2回目)×3(3・4回目)=27(通り)となります。


 場合の数も、やはりどこを攻めるか(着眼点)を決定し、そこをいかにモレなくダブりなく分けるかが重要でしたね。ではまた。

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