Q13 数的推理(ダイヤグラムと方程式2)
 A、Bの2人は25mプールの同じは端から同時にスタートして泳ぎ始めた。Aは毎秒1.25mで、Bは毎秒0.5mの速さで泳ぎ、2人が同じ端に着くまで泳ぎ続ける。このとき、AとBがすれ違う回数と、AがBを追い越す回数の組合せとして妥当なのは次のうちどれか。

  すれ違い 追い越し
1. 4回   2回
2. 5回   2回
3. 5回   3回
4. 6回   2回
5. 6回   3回



 考え方

 この問題は、Nさんよりご質問いただいたものです。この問題をダイヤグラムの分野で勉強したが、私ならQ12のように方程式で解くのか?というご質問です。

 結論から申し上げますと、私は方程式は使いません。なぜでしょうか。それは必要がないからです。
方程式は、ある分かっていない数値(未知数)を文字で置いて等式を作り、それを解くことによってその未知数を求めるために使うものです。しかし、この問題ではすれ違い、追い越しという単純な状況だけを問うており、どの時点で、何秒後に追い抜いたかなどという数値を求めることまでは要求されていません。ということは、方程式を立てて数値を求めると無駄な作業になるのです。
 
 私はダイヤグラムというものには詳しくはありませんが、この問題に試験で遭遇すれば絶対に図を描きます。簡単な図でよいのです。ダイヤグラムというと大げさですが、時間と距離を2軸にとってグラフを描いて状況を見ているだけです。どのあたりで、どちら向きに線と線がぶつかっているかが分かれば十分です。

 やってみましょう。まず、どこで終わるかがわからないとグラフが描きにくいので先に求めておきます。
 Aは1.25m/sですから、(25m÷1.25m/s=)20sで25mを泳ぎます。
 Bは0.5m/sですから、(25m÷0.5m/s=)50sで25mを泳ぎます。
 ここから、20と50の最小公倍数は100なので、100秒ごとに二人ともプールのどちらかの端にいることになります。
 100秒目には、Aは5本、Bは2本、25mを泳ぐので、二人は反対の端にいます。
 200秒目には、Aは10本、Bは4本、25mを泳ぐので、二人は同じの端にいます。だから200秒で終わりです。 

 あとは200秒までの簡単な図を書くだけです。20秒ごとの目盛りと、50秒ごとの目盛りと、どちら向きに泳いでいるかの矢印を描けば十分でしょう。



 このような感じでしょうか。試験ではもっと簡単に描いてよいと思います。すれ違いが6回、2回追い越しがすぐに分かります(答え4)。 

 いかかでしょうか。
私はグラフによる解法を否定しているわけではありません。概要をみるためにはむしろ描くべきだと考えています。ただ、数値を求める問題でいろんなテクニックを勉強するのなら、方程式でも解けるようにしておきませんかと提案させていただいているだけなのです。
 ちなみに、この問題でもっと複雑になったり、「4回目に同じ端に・・・」などとされてグラフが描けないことなどを心配される方もいらっしゃるかもしれません。私はあまり不毛な作業をさせる問題は出ないと思いますが、繰り返しが出てきた場合は最小の単位(本問では200秒まで)を求めて、あとはそれを何倍かすれば解けると思います。
 この問題では方程式をいつ使うか(使わないか)について知ってもらえば十分です。Nさんご質問ありがとうございました。ではまた。

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