太郎君、次郎君、三郎君の三人がA地点からB地点に向かって移動する。最初に太郎君が出発し、5分後に次郎君が、その5分後に三郎君が出発した。そして、次郎君が出発してから10分後に、三郎君が出発してから12分後に、それぞれ太郎君に追いつきました。
三郎君が次郎君に追いつくのは、三郎君が出発してから何分後か。
1.20~22分後
2.22~24分後
3.24~26分後
4.26~28分後
5.28~30分後
前回に続く旅人算です。この問題も私が作成しました。
【Ⅰ】まずは方程式を使わずに考えてみます。
太郎君が出発した5分後に、次郎君が出発して10分後に太郎君に追いつくので、(太郎君が15分、次郎君が10分進んで出会うから、)太郎君と次郎君の速さの比は10:15=2:3。
太郎君が出発した10分後に、三郎君が出発して12分後に太郎君に追いつくので、(太郎君が22分、三郎君が12分進んで出会うから、)太郎君と三郎君の速さの比は12:22=6:11。
つまり、3人の速さの比は、太郎君:次郎君:三郎君=6:9:11
次に、次郎君と三郎君の関係を考えます。
(☆)次郎君の速さを9m/分、三郎君の速さを11m/分と仮定します。三郎君が出発したときの二人の距離の差は、9m/分×5分=45m。二人の距離は1分間で2mずつ縮まるので、三郎君が次郎君に追いつくのは、22.5分後です。(答え2)
9m/分、11m/分という仮定ではあまりに遅すぎるのですが、どうでもいいのです。計算しやすいものに仮定します。9:11でも、45:55でも、90:110でも同じです。
比の問題ですので、(☆)で仮定をしなければならないという悩みが発生してしまいます。
【Ⅱ】では、次に連立方程式を使って解きます。
太郎君の速さをXm/分、次郎君の速さをYm/分、三郎君の速さをZm/分、三郎君が出発してt分後に次郎君に追いつくとする。(求めたいものはt)
太郎君が出発した5分後に、次郎君が出発して10分後に太郎君に追いつくので、
5X+10X=10Y【二人の進んだ距離は等しい】・・・①
太郎君が出発した10分後に、三郎君が出発して12分後に太郎君に追いつくので、
10X+12X=12Z【二人の進んだ距離は等しい】・・・②
次郎君が出発した5分後に、三郎君が出発してt分後に次郎君に追いつくので、
5Y+Yt=Zt【二人の進んだ距離は等しい】・・・③
これを解けば、t=45/2 と求まります。(①②からXを消して、YとZの関係式を求め、③に代入すると求まります。)4つ未知数を置いて、式が3つしかありませんので不安に思われたかもしれませんが、比の問題ですのできちんと消えてくれます。
どうでしょうか。しばしば講座や参考書で、『方程式を使いません。誰でも分かるようにします。』という広告を目にします。しかし、「~算」をどうしても使わなければならないのは、方程式を使ってはならないとされている小学生だけのはずです。なぜ、非常に重要かつ汎用性の大きい方程式を学ばずに、それぞれのパターンを別々に理解しなければならないものを利用するのでしょうか。
私のスタンスは「方程式くらいは勉強して欲しい」です。試験のために様々な「~算」の勉強を四苦八苦してされている方は、そうではなくて、是非、中学数学の問題集で「方程式・連立方程式」に取り組んで欲しいと思います。急がば回れです。
本問でも私は、【二人の進んだ距離は等しい】という考え方から、問題文から素直に方程式を立て、淡々と解いていくのが、速い・常に使える・間違えにくいと思うのですが。
最後はご自身の判断です。参考にしていただければと思います。とにかく解ければ良いのですから。ではまた。
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