Q16 判断推理(命題2)
 表にマーク、裏に数字のかかれている5枚のカードA〜Eが机に置かれている。現在、Aは「△」、Bは「☆」、Cは「1」、Dは「2」、Eは「3」の面が見えている。このとき、命題「表が△ならば、裏は奇数である」が正しいかどうかを確認するために、表または裏に返してみる必要があるカードの組合せはどれか。

 1 A,B
 2 A,D
 3 B,C
 4 B,D
 5 C,E



考え方
 これは命題の問題ですが、典型的な命題の問題である、三段論法を使って解くものではありません。「命題の正しさを確認をすること」とは何かを考えることによって、命題への理解を深めてもらいたいと思い、出題してみました。考えてみてください。
 
 問題は、命題が「正しいことを確認したい」と言っていますね。つまり、「この命題に反するものがないか。反する可能性があるものを全部チェックせよ」と言っているのです。

 命題はシンプルで、「表が△⇒裏が奇数」というものです。つまり、表が△なら裏は絶対に奇数なんだと言っています。
 だから、表が△のAは、きちんと裏が奇数になっているかを確認する必要があります。もし偶数であれば、それだけでこの命題が正しくないことになってしまうのですから。
 一方、表が△以外のBは、この命題とは無関係ですよね。だから、裏は偶数でも奇数でも、どちらでも、この命題の正しさに与える影響はありません。よって、これは返してみる必要はないのです。
  
 では、裏についてはどうでしょうか。ここが、この問題のポイントです。
 それは、「
裏が奇数ならば、表はどうでもよいことに気がつけること」です。裏が奇数のときに、表が△であればこの命題に適合するし、逆に、表が△でなければ(たとえば◎であれば)この命題とは無関係なものになるので、どちらにせよこの命題に反するということにはならないからです。
 では、裏がどういう場合に命題に反する可能性があるのかというと、裏が奇数でないとき、つまり、裏が偶数の場合です。そのときにもし表が△だと、「表が△なら絶対に裏は奇数」という命題に反していますよね。だから、Dは表に返して△ではないことを確認しないといけないのです。

 以上より、正解は、AとDを返して、確認してみるとなります。

 面白い問題だと思いませんか?
 命題の真偽を確認するためには、命題の守備範囲をきちんととらえることです。守備範囲の外の話は無視するのです。「カラス⇒黒い」を確認するのなら、カラスでないものを何羽調べてみても、この命題の真偽にとっては意味がないのです。
 これを読んでくれたあなたが、少しでも命題というものに興味をもってもらえたら嬉しいです。ではまた。

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