A、B、Cの3人はそれぞれ白又は黒の帽子をかぶり、また、白又は黒のカードを一枚ずつ持っている。3人とも、帽子については自分の色も他人の色も分かっているが、カードについては、自分の色のみが分かっており、他人の色は分かっていない。いま、次のルールにより互いに質問をし、それに答えることとする。
ルール1:自分が持っているカードの色と同じ色の帽子をかぶった人からの質問に対しては、「はい」「いいえ」を正しく答える。
ルール2:自分が持っているカードの色と違う色の帽子をかぶった人からの質問に対しては、「はい」「いいえ」を逆にして答える。
以下の二つの質問に対し、回答者がどちらも「はい」と答えたとき、確実にいえるのはどれか。
・AからBへの質問:「私が『あなたの帽子とカードの色はともに黒ですか?』と尋ねたら『はい』と答えますか?」
・BからCへの質問:「Aの帽子の色は白ですか?」
1.Aの帽子は白である。
2.Aのカードは白である。
3.Bの帽子は白である。
4.Bのカードは黒である。
5.Cのカードは白である。
この問題は、平成14年に国家公務員T種試験で出題された問題です。
証言の問題だけでなく、ルールが決められてそれにあてはめていく問題は場合分けをして丁寧に表を作っていくだけできちんと解けます。しかし、この問題についてはあえて取り上げてみたいと思います。
それは、AからBへの質問の「私が『あなたの帽子とカードの色はともに黒ですか?』と尋ねたら『はい』と答えますか?」をきちんと把握できているかの確認をしていただいた方がよいと思うからです。これはパターンとして経験しておいた方がよいと思います。
この質問は、Q1「あなたの帽子とカードの色はともに黒ですか?」とまず尋ねて、(それをルール1・2に従ってすぐに答えさせるのではなく、)その答えをルール1・2に従って頭に思い浮かべさせておいて、さらに、Q2「(あなたの頭に浮かんでいる答えについて、)あなたは『はい』と答えますか?」と重ねて尋ねているのです。つまり、2つの質問が一言にまとめられているのです。そうすると、ルール1・2の適用も2回行わないといけませんね。気づかれていたでしょうか?この問題のポイントはこれだけです。
AからBへの質問に関係するのは、(Aの帽子・Bの帽子・Bのカード)だけですね。それを(○・○・●)などと表して、Q1とQ2にBの答えを考えてみます。(2×2×2=)8通りです。
Q1 Q2
@(○・○・○)→ いいえ(正しい答え)→ いいえ(正しい答え)
A(○・○・●)→ はい(反対の答え)→ いいえ(反対の答え)
B(○・●・○)→ いいえ(正しい答え)→ いいえ(正しい答え)
C(○・●・●)→ いいえ(反対の答え)→ はい(反対の答え)☆
D(●・○・○)→ はい(反対の答え)→ いいえ(反対の答え)
E(●・○・●)→ いいえ(正しい答え)→ いいえ(正しい答え)
F(●・●・○)→ はい(反対の答え)→ いいえ(反対の答え)
G(●・●・●)→ はい(正しい答え)→ はい(正しい答え)☆
結局「はい」と答えるのはCとGだけです。ここから、答えは4と分かります。(BからCへの質問は必要ないですが、練習に確認しておいてください。)
Bの立場に立ちましょう。Aから「カードと帽子が黒か?」と尋ねられた・・・「はい」と答えようと思ったけど、ルールだから逆に「いいえ」って答えよう。・・・へ?Q2?まだ質問続くの?・・・「『はい』と答えるかだって?」・・・「いいえ」って答えようと思ってたのにルールだから「はい」って答えるか。・・・「はい」。
一度経験しておけば十分でしょう。ではまた。
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